小説 - 終末勇者

戦いは終った。

紅蓮に燃え上がる魔王城の謁見の間で
向かい合う勇者ライトと魔王ディラス…

魔王はゆっくりと崩れ落ち、勇者は折れた剣で身を支えた。
魔王ディラスは口から大量の吐血をしながら微笑すると、
勇者ライトを指す。
「これで終ったと思うな…
いずれ、必ずや第二、第三の魔王が現れるであろう」
勇者ライトは激しく息を切らしながらも、顔を引き締めて叫んだ。
「幾らでも現れるが良い。そのたびに、僕が倒してやる」
魔王ディラスは笑った。大きく、激しく笑った。
まるで、魔王城全体が揺るがすかの如く
魔王ディラスの笑い声はフロア全体に響た。
「違う、お前がなるんだよ」


終末勇者


一人の若者が一振りの英知が込められた剣を手に入れた。
若者は言った「僕は世界を一つにしたいんだ」
若者は魔王となり、世界を恐怖に陥れた。

勇者が現れた。勇者は魔王を倒し、彼の持っていた
英知が込められた剣を手に入れた。
勇者は言った「僕はこの世界に秩序をもたらしたいんだ」
勇者は魔王となり、世界を震撼させた。

次の勇者が現れた。勇者は魔王を倒し、
彼の持っていた英知が込められた剣を手に入れた。
勇者は言った「僕はこの世界に平和をもたらしたいんだ」
勇者は魔王となり、世界を絶望させた。

次の次の勇者が現れたが、やはり魔王となった。
次の次の次の勇者も、魔王となった。
次の次の次の次の勇者も、その次も、さらに次も…
誰もが皆、魔王となった。

あるとき賢者が魔王に尋ねた。
「なぜ、貴方は魔王となったのですか」
すると魔王は、こういった。
「決して、かなわぬであろう願いのためだ」
さらに賢者は魔王に尋ねた。
「なぜ、貴方は戦い続けるのですか」
すると魔王は、こういった。
「かなわぬ願いを、かなえるためだ」
最後に賢者は魔王に尋ねた。
「決してかなわぬ願いのために戦う
 無意味ではないでしょうか?」
すると魔王は、こういった。
「いや、それは違う。私が魔王となり
 戦い続けている限り、願いは、かない続けるのだ」


<アルミトスの書 第六章 第1節>


街へ到着した勇者ライトを待ち受けていたのは
市民が総出を上げての、大歓迎。
街の中は紙吹雪が舞い、人々は熱烈に勇者を称えていた。
魔王を倒したのである。それも当然であろう。

だが、当の勇者は困惑していた。
ここまで、激しく出迎えてもらえるとは思っていなかったのだ。
しかし、そんな当人をよそに、街の歓迎ぶりは加熱していった。

魔王との戦いに傷つき疲弊した勇者は、体を休めるまもなく、へんてこりんな神輿にのせられ、意味不明な踊りを踊らされ、よくわからない祝福を山ほどうけ、どこから来たのかも定かでは無い有力者達から怒涛のように接待を受けた。

日も昇らぬ早朝に付いたというのに、
何やかんやと理由をつけて抜け出した時は深夜であった。

最早体も動かない。そうでなくとも魔王軍との戦いで疲弊している。
回復魔法は体の傷をなおしても、スタミナや精神的な疲れまでは
癒してはくれない。

今までの疲労が一気にでて、その場に座り込んだ。
座り込んでいる場所からは、街が一望できる。
夜にも関わらず。街は未だにお祭りムード一色であり、誰も彼もが浮かれていた。

その光景を見ながら、自分が成し遂げた事に対する誇り
と自信が沸き起こった。
だが、その一方で、心の奥底で深く沈んでいる自分も存在した。
強力無双の巨漢、ゴーム。
二丁拳銃の使い手ニヒルな、ランコット。
鋭利な頭脳を持つ、美賢者サーラ。
荒くれ者をまとめていた、海賊の首領ボルガ。
そして、彼が淡い思いを抱いた聖女タリカ…
彼と共に戦った仲間達は魔王城で全員散っていた。

ただ一人、生き残った自分に軽い自責の念が沸き起こる。
「すまない」
誰とも無く誤り、涙をこぼした。

もちろん、決意はしていた。
生きて帰れないことぐらいは百も承知であった。
ただ、現実に一人だけ生き残ったという事実は
人一倍優しい彼に重くのしかかっていた。

先ほど出あった有力者達は、早速死んだ仲間達の銅像を立てる話をしていたが
ライトには、どうでも良い話だった。それで彼らが戻ってくるわけでも無い。
ただ、彼らの、たぶん親切心から出たであろうこの申出は
黙って受け入れた。少しでも彼らのたむけになるかと思ったからだ。

そしてもう一つ…
ライトの腰に備え付けられた剣が
彼の心を沈めていた。

邪神剣カイガン。

伝承に伝わる、魔王がもちし、英知の剣。
そして、数多くの勇者を堕落させ魔王へと変貌させた、この世で、もっとも邪悪な剣。

腰から剣を抜き、剣先を見つめる。
折れた聖剣の代わりに、魔王にトドメをさした剣。
最初に手にした時は、特に意識したわけではなかった。

だが、魔王が死んだのと同時に、魔王の口から「お前が魔王になるのだ」と言わたことを思い出し、その場で、思わず剣を床に叩きつけてしまった。

剣は全力で叩きつけられたのにも関わらず、刃こぼれ一つなかった。
いらないからと言って、その剣を、そのままにしておくわけにはいかない。
魔王軍の残党が、その剣を手に入れて、再び魔王が誕生したら、これまでの戦いが無意味になってしまう。

嫌々ながらも折れた聖剣に変わり、腰に装着して魔王城を後にした。
剣先は怪しく光り輝いている。
ライトはつぶやいた。
「この剣を処分しなくては」

「それは困る」

想像外の返事に、ライトは全身が一瞬震えるほど驚いた。
「結論を焦る必要は無い、もっと心に余裕をもったらどうかね」
剣だ。邪神剣カイガンが言葉を発しているのだ。

虚をつかれて狼狽したライトであったが、そこは魔王を倒した勇者である。
しっかりと、気を入れると剣に向かって口を開いた。
「お前は数多くの勇者を魔王へと変貌させた邪剣だ」
「その認識は大きく間違っている」
邪神剣カイガンの応対に、ライトは再び狼狽した。
「何が間違っていると言うんだ」
「我は、ただの物だ。物はしょせん物にしか過ぎない。剣をどう用いるかは、持ち手次第だ」

…お前が、誘惑したからだろう。

ライトの頭の中を見透かすように邪神剣カイガンは続けた。
「我の力を欲したのは、彼らが、この地を愛し、平和を心から願った真の勇者だからに過ぎぬ」

邪神剣カイガンはさらりととんでもない発言をした。
この地を愛し、平和を心から願った者達がなぜ魔王となるのか。
ライトは、込み上げてくる怒りを隠さなかった。

「馬鹿な。真の勇者がなぜ魔王になる。人々を苦しめ、多くの者達を殺めるんだ」
「…すぐに分かる。おぬしもまた勇者なのだから」
ライトは、邪神剣カイガンの剣の塚にはめられている赤い宝石が、わずかながら光ったような気がした。


魔王城のふもとの街に勇者ライトが到着してから、わずか一週間で、世界に魔王倒れるの報が全世界に届いていた。
世界の国々では歓喜の声で溢れ帰り、人々は魔王と魔物によってもたらされていた恐怖から解放された自由を謳歌した。

そして、さらに、その三ヵ月後。
世界は未曾有の大混乱に陥ったいた。

グランディール帝国。対魔王軍用に編成されていた軍勢をあらたに、外征軍として再編成し、近隣諸国に対して保護を名目に進軍を開始。
アルヴィッチ共和国において、魔王軍消滅に対する軍事削減案に反対した軍部によりクーデターが発生、共和国軍アルディート将軍による独裁政権が樹立。
カスパル王国では、大量の兵士解雇により、膨大な失業者が生まれ経済は大混乱をきたした。さらに元兵士達による盗賊団が生まれるなど治安が低下。
さらに山岳地帯の資源採取を巡り、エルフとドワーフ、コボルトによる対立が深刻化。各地で戦闘が勃発。
魔王軍に協力したとして、ザネック族はガバネール族一万人を虐殺。民族問題に発展。
マーメイド海洋族が、魔王軍消滅に関して「人間との協力体制の終了」を宣言。先日に発生他した大津波に対して何ら対策をとらず、湾岸諸国は激怒。「漁猟規制の全面解禁」を通告したことにより、海洋族との対決姿勢を打ち出す。

「何という事だ」
ライトは頭を抱えこんだ。
こんなことになるとは想像してもいなかった。
魔王を倒せば、単純に平和が訪れると思っていた。
だが結果は、更なる混沌を生み出しただけである。

邪神剣カイガンは言う。
「魔王というタガが外れたのだ。自由となった人々は己が利益のみに走り始める。これは当然の摂理だ」
「始めから、知っていたのか」
憤怒をあらわらにしてライトは、邪神剣カイガンの柄を強く握りしめた。
「知っていたから、どうだというのだ?お前と語り合ったのは魔王が倒れた後だ、そもそも魔王が倒れる前に、世界は混乱するから魔王を倒すな…言ったとて、お前は信じようとしまいよ」
「それは…」
ライトは口ごもった。確かにそのとおりであった。
魔王を倒す。当時は、ただそれだけしか頭に無かった。
ただ漠然と、魔王さえ倒せば、それで平和が訪れると思っていた。
魔王が倒れた後に世界がどうなるかなど、考えてもみなかった。

カイガンは中央のルビーを怪しく光らせる。
「人々には共通の目的があってこそ争いをやめ、一つとなる。それもただの目的ではいけない。生存本能を呼び起こすほどの重要な目的があってこそ、種族をこえ、民族を超えた団結ができる」
「まさか…」
ライトは大きく目を見開き、邪神剣カイガンの赤い宝石を見つめる。
「かつて世界は混沌していた…国々や人々は自身の利益のみを追求し、他と手をつなぎあわせ、苦しみや悲しみから脱却しようとはしなかった」
「………」
「ある日、私は一人の若者の話し相手をしていた。どうしたら人々は手をつなぎ、争いを無くすことができる…彼は真剣に考え、悩みぬき、一つの結論に達した」
「…それが、魔王なのか」

しばらく沈黙が続いた。
一人と、剣は、その答えを心の中で反芻するかのように
ただ、静かに押し黙っていた。

「代々の勇者達もまた世界の安寧を考えていた」
再びカイガンの声が聞こえてくる。
「彼らもまた同じ結論に達した。そのために彼らは全てを捨て去った。地位も名誉も、そして矜持さえも…」
「………」
「身も心も邪悪な魔王となり、この世界の全ての憎しみを一身に受けた。それが、世界の平和となることを信じてな。魔物の世界をつくると偽り…そう配下をも裏切り、彼らは孤独の中で、世界のために、平和のために、己自身を生贄としたのだ…彼らこそ、まさに勇者の中の勇者であろう」
「………」

ライトは天を見上げた。
天井の星々は美しくきらめき、大きな月が爛々と闇を照らしている。
「闇の中の光りか」
「いや、違う、月は太陽の光があってこそ、光り輝くのだ」
ライトは剣の柄を強く握り締める。
「僕に魔王になれと言うのか」
「それは私の問いではない。自分自身で決めることだ。過去の勇者達もそうしてきた。だが、過去の者達がどうあれ、結論まで同じとは限らないだろう。お前は、お前でしか無いのだから」

ライトは唇を噛んだ。
唇から血が流れ、鉄さびの味がする。

砲撃の音が聞こえてきた。
ライトの滞在する土地に、攻撃が開始されたのだ。
もちろん、壊滅した魔王軍などでは無い。
人間が己の野心のために軍兵を動かしたからだ。

「僕は…」

時間は刻々と進み、歴史は流動している。
彼がいかなる道を進むかはまだ分からない。
ただ、その決断を下す時間は
そう長くは残されてはいなかった。

fin



マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
端末の次は、終末かよ!間は無いの、間は?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「この、終末勇者は元々過去に書いた短編集の一つだったのじゃ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
おい、無視すんじゃねぇ!
…つか、過去に書いた短編ってことは、今回は長期連載するつもりなの?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
わからん

正直、どうしようかと思っておる」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「おいおい、書いたあとにそれかよ?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「色々とネタがのぉ。。一応恋愛小説にしようかと思っておるのじゃが、どうにも…これなら、もう一方の作品の方が良いかと思っておるのじゃ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「ん?まだネタあるんだ。どんな題名?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「さ☆つ☆じ☆ん☆き~僕の彼女は殺し屋さん。という題名でじゃな…」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
もう、いい。

分かったから、人のネタで相撲とるのは止めろ
つか、パクるなら、せめてもっと明るいのにしろよ!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…そんな、あっさり否定せんでも」





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端末ダンジョン!第九話

街の保安官事務所。
ここに保安官と、それを取り巻く地元の記者達がいた。
「…救助された二人、サシー君とライアー君は傷ついていた。サシー君の手にはナイフが握られており、ライアー君は、肩と口から血を出していたと」
「そうだ。間違いない」
「つまり、保安官。サシー君は妹の仇を討つために、ライアー君を襲ったと言うのですね」
「そのとおりだ。彼は近くの鉱山から爆薬を盗み、洞窟入り口に設置した。本来ならばライアー君を洞窟の中に誘い出し、自分は逃げるつもりだったのだろう。だが、おり悪く地震が発生し、洞窟の中に叩き入れ様とした瞬間、振り返ったライアー君と接触し、共に生き埋めになってしまったのだ」
「そして、彼はライアー君の舌をナイフで斬りとったと?」
「発見時の状況を見る限り、そうとしか見えない。本人は病院で何も語らないがね」
「今、二人はどこに?」
「ライアー君は、応急処置を受けて事務所で寝ている。もうそろそろ救急車が到着するはずだ。それでセンター病院に行く予定になっている。サシー君は…土砂を一身に受け止めてしまったため、大怪我をしている重傷だ。脊髄をやられていて下半身が動かないらしい。事件の容疑者でもあるためまっさきに緊急車両で高度警察病院に搬送されたよ」
「しかし、サシー君の妹を殺したのは本当にライアー君だったのでしょうか?」
「サシー君の妹が川で死体となって発見された当時、彼は犬を川に捨てたと証言した…雨の中で目撃者もいない。事実はわからないんだよ」
「逮捕しなかったのですか?」
「小さな村で、いざこざを起こしたくなかったのさ。誰もがね。犯人が分かっていれば、そんなことも無かったろうが、こんな曖昧な状態じゃあ逮捕なんてできない」
「ライアー君は、精神をわずらっていたと言う話もありますが」
「それについては、ノーコメントだ。ただ、これだけは言える。ライアー君を育てた祖父はのんだくれたロクデナシだった。だいたい自分を勇者だという奴がまともだと思えるか?ヤツは、酒を飲んでは暴れて、ライアー君を殴っていたという話だ」
「つまり、起訴してもライアー君の精神障害を理由に棄却されるのがオチ…だから裁判をしなかったと、そういうわけですね」
「よし、もう終りだ。皆、帰った。帰った」
保安官が手を叩くと、記者達は事務所の玄関から外へと出て行った。
保安官は軽く息を吐くと、イスに座り真っ黒なコーヒーの入ったカップに手を伸ばす。
「それで、サシーは今どこに?」
「言ったろう、警察病院だ。センターアイランドの警察病院だよ」
保安官がふりむくより先に僕は、帽子受けに置いてあった警棒を、頭に叩きつけた。
固い陶器が砕けような音がして、保安官は席から崩れ落ちる。
頭と耳から血が流れているようだが、保安官の安否なんて、どうでも良い。
僕が気になるのは親友のサシーのことだけだ。
彼は今、官憲の力によって病院に監禁されている。
これを救わないでどうするというんだ。
僕の中で使命感が沸き起こる。
そうだとも、これこそが僕の待ち望んでいた大冒険だ。
囚われれの親友を救い出す。
これ以上の状況があるだろうか。

「サシー、今、僕が助けにいってあげるよ」
保安官の服を奪い、警棒をベルトに挿す。
さあ、行こう。親友を救い出しに。
親友を助けに行くのは当然の事だ。

だって僕はライアー

選ばれし勇者の孫なのだから。








マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「サイコ小説で終わったね☆」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「世界など滅びれば良いさ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「いくら自分の思い通りにならなかったからって、そんなこと言っちゃダメだなぁ」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「わしは高尚な冒険小説が書きたかったのじゃ!
こんなサイコ小説では無い!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「サイコだけに、サイコーですか!ってね!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「………」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「………」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「………」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「世界など滅びれば良いさ!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…もういい、こうしよう。無かったことにしよう
次に書く小説はもっと暖かいものにするのじゃ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「ほほ、どんな感じに?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「わしゃ、ツンデレが好きじゃから
つんつんなダークエルフと、無意味にデレデレする
恋愛ファンタジーじゃ!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「ツンデレなら、美少女サイコちゃんがいるじゃん!キラーン!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「おぬしは、ただ性格が悪いだけじゃ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「…その言葉、宣戦布告と判断す!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「そんなわしは無防備歳宣言じゃ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「一方的に爆撃されれ!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「ほほほほ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「…ところで」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「なんじゃ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「これ、端末ダンジョンって名前だけど、洞窟の入り口から先へ進んでないよね?始末ダンジョンの間違いじゃない?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「そこは、一番触れてはならん場所なのじゃ!」






端末ダンジョン!第八話

僕は目をつぶった。
「すまないサシー、君をこんな風にしたのは僕だ。だから責任を取るよ」
「何を今更…お前に何の責任がとれるんだよ。適当なことを言いや…」
ゴリ…
石が削れるような音が鳴り響いた。
それは、僕の口の中から聞こえてきた音だ。
サシーは驚愕の顔をして、僕を見ている。
僕は静かに微笑すると、口をわずかに上げた。
口の中から、金属の味が広がり、そして外に溢れ出す。

血だ。

そう、僕は舌を噛み切ったのだ。
彼の苦しみ、彼の悲しみを解き放つにはそれしかなかった。
僕が死ねば全てが丸く収まる。
彼が抱いた妄想も、僕の死によって消え去るだろう。

「何を、お前は何をしているんだ」

サシーの声がこだまする。
怒りとも悲しみともつかない表情で
僕の顔をいじっている。

「ふざけんなよ。こんなの認められるか
お前は俺が殺すんだよ。なんで勝手に死ぬんだよ」

…そう、これで良い。
これが僕の償い。
君を修羅へと追い立てた
僕の罪を血で清めるんだ。

「ちくしょう、ちくしょう」

サシーの声が遠くなっていく。
眠い。
暗闇が広がり、
堕ちていく感じがする。

ああ、そうか。

これが、



死か。






マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「自決きたぁああああ」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「………」


大司祭カンタベリー司教(大司祭)
「罪を償うために死を選ぶ。それもまた救い…」



じゃばらじゃばら(ブログ主)
「司教が自殺を肯定してどうする!」


大司祭カンタベリー司教(大司祭)
「犬を殺すようなものは、地獄へ落ちるがよいのです!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「貴様も犬好きかぁ!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「わっふる♪わっふる♪」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…もう、いい、わかった。これで終りじゃ…次で最終回にするぞ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「えー、つまんない。これからが盛り上がるところじゃん」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「どうやって!」





端末ダンジョン!第7話

「サシーよく聞くんだ。確かに僕は、君の犬を
川に捨てた。それは謝るし、悪かったと思う。
でも、その為に親友の僕を殺害するなんて
やりすぎだろう」
僕はさとすように、サシーに語りかけた。
彼は今、怒りに満ち溢れている。
でも、僕の声に耳を傾けてくれるはずだ。
何しろ僕らは親友なんだから。

だが、そんな僕の想いとは裏腹に
サシーは僕の声に耳を傾けようとはしなかった。
逆に顔を赤くそめ、鬼のような形相へと変わっていく。
「ふざけるな。さっきから犬、犬と…リルは、僕の妹だ。
一才になるかならないかの、小さいな妹だ」

ああ、彼は何を言っているのだろう。
リルは犬じゃないか。とても小さな犬で
いつもうるさく泣いていた犬だ。
あの時も、そうだった。
僕が彼の家にいたときも足元で
いつまでも、いつまでも泣いていた。
僕が五月蝿いと怒鳴っても、リルは言うことを聞かない。
突き放しても、いつの間にか足元に来て泣いている。
だから、僕はリルを叩いたんだ。

何度も、何度も、何度も、何度も、何度も
叩いて、叩いて、叩いて、叩いた。
ひどい音が鳴り、手が痛くなり、
血が出てきても、僕は叩いた。

それでもリルは泣き止まない。
だから僕はリルを蹴り上げ、踏み潰し
袋につめて、外へもっていったんだ。

外では雨が降っていた。激しい雨だ。
それでも、リルを処理するために
僕はためらわず、外へ出た。

橋の上まで来ても、まだ袋の中で蠢くから
近くにあった石で袋の上から思いっきり
叩いてやった。五回、六回、七回。
十回目で袋は内側から赤く染まり、ようやく静かになった。
僕は気分が良くなり、橋の上から
思いっきり川に投げ捨てた。

それはとても気分が良い瞬間だった。
とても爽やかな気持ちになった。
雨はふっていたが、心は晴れ晴れとしたんだ。
ああ、あの時のことは忘れられない。
僕は、僕の平穏な幸せを、守ったんだ。

それなに彼はどうだというのだろう。
僕の平穏を奪ったリルに思いをはせ、
あろうかとか親友の僕に襲い掛かってくる。
考えていることがおかしいじゃないか。
そもそも、僕の平穏を脅かしたリルが悪いんだ。
飼い主として親友の僕に謝るべきなんだ。
むしろ、彼がリルを叩いて躾けるべきだったんだよ。

そうか、きっとこの環境のせいだ。
この真っ暗な閉塞的な空間で
錯乱しているに違いない。
そういえば先ほどから呼吸が苦しくなってきた。
酸素が足りなくなっているに違いない。
それはそうだ。これほど激しく動いているんだ。
空気の消費量だって大きいだろう。

何かの本で読んだことがある。
酸素が少なくなると人間は正常な判断ができなくなるんだ。
なるほど、そういうことか。

つまり、彼はおかしくなっているんだ。
この環境と薄い空気のせいで、
サシーは頭がどうにかしてしまったんだ。
良く見れば、サシーの顔はひきつり、目は充血し、
口から何か泡のようなものをふいている。
これはおかしくなった人の典型的な形相だ。
なるほど、それなら理解できる。
彼は、この異常な環境で、妄想とも言えない虚構に
頭の中が支配されているんだ。

「言っておくがなライアー、俺はお前を一度も友人だと
思ったことなんてない。親友だって、ふざけやがって
お前なんて身寄りが無いただの貧乏人のくせに
俺の母親が優しくしてなきゃ、とっくに野垂れ死に
していた孤児のくせによ」

ああ、やっぱりそうか。間違いない。可哀想なサシー
よりにもよって、大親友の僕を、親友では無いと言い
あまつさえ、妹殺しの犯人だなんて
こんな考えは正気では出てこない。

ごめんね、僕のサシー。
僕が悪かったんだね。
こんな洞窟に一緒に行こうと言ったから、
だから、おかしくなってしまったんだね。
でも大丈夫だよ。僕は君を捨てたりはしないよ。
なんと言っても、僕は大親友なんだから。






マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「サイコサスペンスきたー!!!!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…な、なんじゃこりゃ
何でサイコな話になっとるんじゃ!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「サイコちゃんの師匠なだけにね!」


師匠パラル(師匠)
「ほほほ」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「上手いこといったつもりか!
これは、冒険ファンタジーぃいいい!」


師匠パラル(師匠)
「すまんのぉ、最近年のせいか、
耳も記憶力も、悪いのですじゃ」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「師匠は歳だから仕方ないよね。
ごめんね。本当、ごめんね
師匠はいっぱいがんばったんよ」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…なんだこの連携は」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「師弟の絆!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…もう良い。頭が痛くなってきた。
次のキャラクターを呼ぶぞ!」


大司祭カンタベリー司教(大司祭)
「呼びましたかな?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「おお、司祭とな!これは期待できるじゃろう!
きっと混沌とした物語を救ってくれるはずじゃ!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「またじいちゃん?ジジイ率たかくない?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「五月蝿い小娘!さぁ司教!行くのじゃ!」


大司祭カンタベリー司教(大司祭)
「うむ、お任せ下さい。
この物語を、救いがある内容としましょう」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「うひゃひゃひゃ!これで物語が立ち直るのじゃ!
ようやく王道ファンタジーに戻るのじゃ!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「…壊れたか(ボソ」




端末ダンジョン第六話

激しい激痛が肩を襲う。
サシーは本気だ。本気で僕を殺そうとしている。
何と言うことだ。一体何をしたというのだろうか。
理由も知らずに死にたくは無い。
「一体何なんだよ。教えてくれ、僕が何をしたんだ」
「何をしただと」
震える声が闇にこだまする。
暗闇の中でも、彼の怒気が分かるようだ。
「お前は、お前は、俺のリルを殺したじゃないか」
頭が金槌で叩かれたような衝撃を受けた。
リルとは、彼の飼っていた犬だ。

あまりにも泣き声が五月蝿いので、
ある夜の日に
思わず袋につめて橋の上から川に投げ捨ててしまった。
僕は呆れたような顔をして、サシーを見る。
もちろん、川に犬を捨てた僕も悪い。
だけど、それは躾をしてなかったサシーも悪いじゃないか。
そもそも犬ごときで親友の僕を殺すというのか。
しかし、怒りに身を任せているサシーにまともな会話ができるとは思えない。
「わかった。悪かったよ。でも、たかが犬を川に投げた程度で、殺そうだなんて…」
「たかが犬だって、リルは俺の家族だったんだぞ」
激しい怒りが空気を振るわせる。
僕は、身が縮まった。
確かに世の中には、犬を家族同然にする人達もいる。
僕には全く理解できないが、
彼らにとってみれば、犬を川に捨てられたのは辛いことなんだろう。
だが、そんな理由で殺されてはたまらない。
犬は、しょせん犬なのだ。
僕は、意を決して、サシーを説得することに決めた。






マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「殺害の動機が、犬なの!?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「……」


キム弁護士キム弁護士(環境団体HAS代表)
これ以上は無い素晴らしい理由だろう?
多分、犬好きの九割に人には賛同してくれると思う」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「まぁ自然保護のために人間なんか死んでも構わない。なんていう人もいるぐらいだしねー」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…何と言うか、小説が、安っぽくなっとらん?」


キム弁護士キム弁護士(環境団体HAS代表)
なんていう人だ!

犬が殺されたのを安っぽいだなんて信じられない!
ブログ主じゃなかったら、訴えているところだ」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「いや、犬が大事なのは、わかるが、ほら、あれじゃ…えーと」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「つか、いきなり犬が殺された。じゃ、感情移入できなくね?」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…それじゃ!理由なのじゃ!
背景が無いから感情移入ができないのじゃよ!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「…痴呆か(ボソ」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「…なんか言ったか小娘?」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「んにゃ別に」


キム弁護士キム弁護士(環境団体HAS代表)
「…むぅ。それは別の人に任せてもらおうかな。僕は裁判があるんで失礼!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「逃げやがった!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「まぁ、次の呼ぶかのぉ、カモーン!」


師匠パラル(師匠)
「ほほほ、呼びましたかの」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「師匠だ!じっちゃんだ!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「む、マー坊の師匠を呼んだか。しかし、大魔法使い!サシーくんと犬との背景を書いてくれるはずじゃな!」


マリンちゃんサイコちゃん(マー坊)
「うんうん。なにせじっちゃんはねー
魔王と呼ばれるぐらいだからね!」


じゃばらじゃばら(ブログ主)
「ちょっと待て」



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第029(お肉)部隊5657小隊を率いる
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