戦ノ国のこなすさん

戦ノ国 ~もののふ絵巻
戦ノ国の紹介ブログといえば、
こなすさんがやられておられる
『こなすの戦ノ国たいけんブログ』
一息ついたので、久しぶりに見に行きましたら
淡路島よりの野望
なるシリーズを始めておられました。
安宅冬康を選ぶとはかなり渋めです。
しかも、選んだ理由が
「淡路島から全国統一できたら素敵やん…?」
思わず、こなすさんに惚れました。
さすがと言わざるおえません。
「三がダメだから二で遊ぼう♪」という理由で
仁木を選んだ自分が恥ずかしい!
しかも、なるべく臣従や同盟を破棄せず
クリアする方針には、肝をとられました。
なにしろ、このゲームで一番つらいのは臣従プレイです。
今川に臣従している徳川でプレイしていたところ
領土をつぎつぎととっても、今川家に進呈する
ことができず、領土がいっぱいで破綻してしまったのです。
そう、譜代大名を持つことができず、
主家に領土を進呈することもできないので、
臣従プレイはかなり難しいのです。
臣従破棄なという下克上なんてせず、
是非とも、こなすさんには、全く破棄しないプレイ
という遊び方をして頂きたいものです。
まぁ、私ならいかに臣従や同盟を破棄せずに
主家や同盟国を滅ぼすか全力で知恵を回しますが。
(これを一般的に下種野郎と言う)
しかし、こなすさんの描いた原虎胤さんは
上手い…
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戦ノ国 アップデート_1.03

戦ノ国 ~もののふ絵巻
仁木家奮闘で、すっかり忘れておりましたが
戦ノ国のアップデータが登場していたようです。
『戦ノ国』ver1.13アップデートファイル
http://si-phon.com/support/sk_updata.php
細かい仕様はサイトを見ていただくとして、
今回のバージョンUPでは、COMがつよくなりました。
まだ甘いところはあるものの、戦略を見極め、
領土経営をさらにしっかりと行うようになりました。
兵力の回復と増強が、俸禄のみの本ゲームでは内政を
しっかりとやること収入(補給)=戦力増強なので
かなり手ごわくなったといえるでしょう。
(基本的に、このゲームはズルはしませんので)
一番のポイントは、領土の統括です。
家臣にも積極的に領土を与え、ver1.11のように
領土を持ちすぎて経営破たんを起こす事が
なくなったようです。
さすがに、もう仁木家で
天下を目指すつもりはありませんが
(だって辛いんだもん)
相手にわざと領土を与えて、疲弊させる戦略がとれなくなったのは
痛い限りです。
さらに歯ごたえのあるゲームになった戦ノ国。
ここは一つ弱小国でチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
もちろん、ノーリロードで!
戦ノ国AAR 仁木家05

戦ノ国 ~もののふ絵巻ver1.11
シナリオ:1550年
選択武将:仁木義政
三木家を除けば、あるいは富樫以下の
最弱かもしれぬ仁木家!
天下を望んで遊んでみたもののその結末は…
仁木家

ご六角家の類親の仁木家当主。全能力3.石高わずか1万石。周囲を他国に囲まれており家臣もいない。そのため、ご本家の六角に臣従しているが、まるであてにならないため表裏比興の生き方をするハメに。

元は浅井家の家臣で、伊賀の忍者衆を用いた諜報隊の責任者。若くして浅井長政の相談役を勤めた。情報分析に長けており、的確なアドバイスを行う。
織田家

天下統一を目論む魔王。存在を気にも留めていなかった超雑魚大名の仁木に裏切られ、怒りのあまり、幾度となく大軍を繰り出し殲滅しようと試みる

織田家の重鎮。魅力10知力10武威8という総合力なら本ゲーム最強のモンスター。信長に犬のように仕えている。

織田家武断派の筆頭家老。信長に代わり軍をまとめて仁木家に襲い掛かる。
1560年10月
十月、仁木軍は総力をあげて伊勢奪還作戦を開始。
織田伊勢方面軍5300に対し、
仁木軍7600は果敢に攻め立て、これを撃破。
伊勢奪還に成功する。

「いくぞ!一気に織田を滅ぼすのだっ!」
動向定からぬ今川と南近江の織田軍に備え、
仁木義政と遠藤直経ら本陣は伊勢に残し
島左近、北畠具教率いる攻撃軍を大和と紀伊に進撃させる。
仁木軍の勢いに、織田軍はなすすべも無く崩壊し、
大和と紀伊方面軍は撤退し、仁木の支配下となった。


「人間、五十年…」

「う、上様っ!仁木が攻めてきたで!
伊勢は奪還されて、大和と紀伊が壊滅ちょーよ!!」

「…で、あるか」

「敦盛なんて、おどってるばーいじゃなーも!
すぐに、対策せにゃーとっ…」

「…猿っ具足を持て。
仁木義政を殺しにゆくぞ」

「伊勢で織田の主力を倒したことにより、
この戦いは終ったもどうぜんだな!」

「…まだ予断は許しません。
河内に兵が6500、伊賀に8900の大兵力が残っております」

「その兵力が合わされば、な!
いま、大和にいる我が軍は一万…
伊勢にも、わしと遠藤殿の2000がある。
分断された敵を各個撃破するのは容易だ!」

「…それですが、次の侵攻先は河内と伊賀
どちらになさるおつもりか?」

「すでに河内に大和の軍勢を差し向けている!
後方の憂いが無くなれば、織田など恐れずに…」

「…拙者が織田信長なら」

「…ん?」

「…手薄になった本陣を狙い、
伊勢に攻撃をかるな」

「…なっ」

「…ふん、軍馬の音が聞こえる
どうやら、同じことを」

「…ま、まさか!?」
織田軍、伊勢に対し残存兵力を結集し
反撃作戦を開始
織田軍、4200に対し、仁木本陣2000では
対応しきれず後退を余儀なくされる。

「ちょ、ちょっと待て!?撤退先が尾張だと!?!?
こっちは、本隊と逆方向では無いかっ!!」

「やられたな
どうやら、うまく誘導させられたようだ」

「ただちに、本隊をこっちに向かせるのだ!」

「…もうやっている。
河内と、空っぽになった伊賀を制圧してな
だが…」

「…な、なんだ!?」

「…まに
あわんかもしれんな」
1561年3月、伊勢を制圧した織田軍は、全軍を率いて尾張に
雪崩れ込んだ。
仁木本隊は北畠具教率いる3600を向かわせたが、間に合わず
入れ替わりに、伊勢を制圧する。
そして、1561年4月。
三河の隅に追いやられた仁木軍に
織田信長が最後の総攻撃を加えようとしていた。


「救援が、間に合わなかったのか!」

「…さすが織田信長だな
まさか戦略級で奇襲を加えてくるとは」

「ほめている場合か!
こ、ここで負ければ終わりなんだぞ!
どうにかならんのか!?」

「ならんな。尾張の織田軍3600に対し、
我が方はたった2000だ」

「…しかし、織田軍の内訳を見れば
織田信長1952
羽柴秀吉1160
織田信包120
林秀貞120
佐久間信盛120
河尻秀隆40
佐々成政40
金森長近40
…という
ぐちゃぐちゃな部隊では無いか!」

「…同数であったのなら、40ぐらいしかもっていない
武将達を蹴散らし、大いに士気を低下させ、相手を撃破
することも可能ではある…が、だ」

「この兵力差ではダメかっ
なら、い、いっそ今川領に逃げるというのは…」

「今川領に2000で侵攻?
本気で言っているなら
この場で斬るぞ…」

「に、2000では無理か!
もう、どうにもならんのかっ!!」

「無理だな」

「こ、ここまで来たと言うのに!
終りだと言うのか」

「五分、だ」

「…五分?」

「こちらから攻める」

「な、なんだと!?2000で守れんのに、
どうやって攻め勝つのだ!!!」

「伊勢の北畠具教率いる3600が残っている」

「…あっ、そ、そうか
伊勢と三河、両面から攻撃をしかけるのだな!」

「合わせれば5600、織田の決死隊3600に
間違いなく勝てるだろう」

「…問題は、どちらが先に攻撃をしかけるか…か」

「織田が先に、三河へ侵攻してきたら負け
逆にお味方が先に尾張へ侵攻できたら勝ち、だ」

「…あとは天に任せる、のみか」

「…飲むか」

「…はぁ、そうだな
ところで…」

「…何だ?」

「…遠藤殿は何でわしに味方してくれたのだ?
どうせ、最後だ。教えてくれ」

「…主家の浅井家が滅びてから
ずっと、後悔していたのだ」

「…後悔?」

「…私は浅井の伊賀者を使って諜報活動を一手に担っていた
だから、織田信長がどういう人物かを知っていた」

「………」

「…織田家の属国になるときは反対した
あんな男の家臣になるなどもっての他だ。
そして…反乱を企てた時も反対した
既に勝ち目が無い事がわかっていたからだ
…そして浅井家は滅んだ」

「…それは、当主たる
浅井久政殿の責であろう」

「…わかっている。だがな、思うのだ
もし、腹を切ってでもおいさめすれば
あるいは、浅井家を滅びなかったかもしれない
もしかしたら久政様をお救いできたかもしれない」

「………」

「…仁木殿が挙兵されたとき、
まさに我が身に、つまされる思いであった…
この実行力さえあれば、と
自分は何と、なんと情け無い男であったかと」

「…いや、それは違うぞ遠藤どの」

「…ん?」

「…遠藤殿が、あのとき我が方についてきてくれたからこそ
ここまで大きくなったのだ。遠藤殿の適切な助言があったから
ここまでこれたのだ」

「………」

「…遠藤殿は情け無い男ではござらん
それを言うなら、ほれ、勝利直前に負けようと
しているわしこそ、情け無い男よ」

「…仁木殿」

「…飲もう!飲んで明日に備えよう。
笑っても泣いても、次の戦いで最後だ」

「…うむ」

「…ところで、話をして場所を聞くのを忘れていたが
ここはどこだ?三河を抜けたはずだな?」

「…確か、ここは田楽狭間…
いや、桶狭間だと聞いていたが」

「桶狭間が…んっ?
軍馬の音が聞こえるな…」

「…ああ、どうやら
軍勢が近づいてきたようだ」

「上様っ!仁木本陣の場所がわかったちょ!」

「…どこだ」

「桶狭間だにゃーでっ!」

「…勝ったな
猿っ!全軍に攻撃の合図をせよ!
桶狭間で、仁木義政を討ち取る!!」
織田軍最後の反撃作戦は
失敗に終った
戦略レベルで行われだ織田軍の奇襲攻撃により
一旦は、仁木家滅亡のふちに立たされたが
北畠具教率いる3600の援軍が僅差で間に合い
織田信長は、尾張に籠城を余儀なくされた…

「…是非もなし
よもや仁木如きに滅ぼされようとは…」

「う、上さぁ…」

「…いや、三好や今川と手を組み
天下布武への道を怠った時より
滅びは始まっていたのよ…」

「…う、うぅ」

「…どうした猿?
さっさと逃げるがいい
貴様なら、仁木家でも重宝されよう」

「そ、そうだ上様!
日ノ本をでましょーで!」

「…なに?」

「日ノ本以外にゃぁー常夏の国やら
真っ黒な美人やらおるそーでぇー
な!な!上様と、わしゃー二人でおれば
どこでも天下ぁとれるでよ!なっ!」

「…ふ、猿
貴様は面白い男だ」

「うえ…さまぁ…」
清洲城は陥落し
織田信長は自害した。
織田家は近江にいた柴田勝家が継いだが

すでに織田家に交戦能力など無く
1562年11月、仁木軍の前に滅亡した。

「…終ったな。長かったような
短かったような…夢のような一時であった」

「…胡蝶の夢」

「…ん?」

「…夢をみるならば、
最後までやられた方が良い
それが例え、一時の夢であってもな」

「…うむ!
当家はこれより、天下に覇を唱えるぞ!」
織田家を滅ぼし、その配下を吸収した
仁木軍は、最後まで同盟をしなかった
今川に対して侵攻を開始。
1564年、12月、今川家を滅亡させた。

今川家を滅亡させた仁木軍は
関東、上信越を支配している
強国武田軍との全面戦闘に突入。
この戦いは二年続き、武田家の領地の
大半を奪い臣従させた。
また、この戦いの最中に
また東北の諸大名を臣従させることにも
成功し東日本を手中に収めたのである。

1566年、1月。仁木軍は上洛を敢行する。
山城を保有していた同盟国の三好家に
臣従の使者を送るが、拒否されこれを殲滅。
1590年11月。仁木家は全国の大名を実力で従え
武門の長として征夷大将軍の宣下を受ける。
金沢に幕府を開き、公家・武家・寺社それぞれに
向けた法を定めて、日本全土の統治者であることを宣言した。

「…いくのか?」

「家督は息子に譲っておりますゆえ…
近江に戻り、無き久政様の供養をして
参りたいと思います」

「…そうか、あいわかった
だが、忘れるなよ
お前は余を将軍にしてくれた
決して情けない人間では無い」

「…勿体無いお言葉です」

「お前は、お前自身に呪いをかけている
幾らがむしゃらに突き進もうが、
あるいは、それは解かれることが無いのかもしれない
だが…いつの日か必ず自由になれるものだと
余は信じておる」

「………」

「…と、まぁ、言えば
格好は良いかな?
もっとも適当に生きてきた余の言葉では
あまり重みがなかろうて」

「…いえ、そんなことはありません
では、一つ約束して頂けませんか」

「何だ?言うてみい」

「もし、我が身が自由となったのならば
山城にお城を一つもらいたいのですが」

「それは構わんが…なぜだ?」

「京を手中に収めれば
天下を制するのもたやすい…でしょう?」

「そ、それは困るっ!
お前に裏切られたら勝てる気がせん!!」

「ふッ、ハハハハハハ」

「ハ、ハハハっ!こやつめ!」
かつて、漢の劉邦は僻地に流され、百戦の敗北を重ね
わずか一戦の勝利で天下を手に入れたという。
取るに足らぬ弱小国の意地、あるいはたった一人の気合が世界を
変える事もあるのだ。
一人の人間は取るにたらぬ生き物である。
だが、同時に世界を滅ぼすほどの力を秘めている
(詩人-アウグゥスト)
仁木家はその後、一八六八年に行われた大政奉還
まで、金沢を首都とし300年にもわたる平和な時代を
築きあげることとなる。
おわり
仁木動乱その1
仁木動乱その2
仁木動乱その3
仁木動乱その4
仁木動乱その5
戦ノ国 AAR 仁木家04

戦ノ国 ~もののふ絵巻ver1.11
シナリオ:1550年
選択武将:仁木義政
三木家を除けば、あるいは富樫以下の
最弱かもしれぬ仁木家!
天下を望んで遊んでみたもののその結末は…
仁木家

ご六角家の類親の仁木家当主。全能力3.石高わずか1万石。周囲を他国に囲まれており家臣もいない。そのため、ご本家の六角に臣従しているが、まるであてにならないため表裏比興の生き方をするハメに。

元は浅井家の家臣で、伊賀の忍者衆を用いた諜報隊の責任者。若くして浅井長政の相談役を勤めた。情報分析に長けており、的確なアドバイスを行う。
織田家

天下統一を目論む魔王。存在を気にも留めていなかった超雑魚大名の仁木に裏切られ、怒りのあまり、幾度となく大軍を繰り出し殲滅しようと試みる

織田家の重鎮。魅力10知力10武威8という総合力なら本ゲーム最強のモンスター。信長に犬のように仕えている。

織田家武断派の筆頭家老。信長に代わり軍をまとめて仁木家に襲い掛かる。
1558年10月


「おお、実りの秋じゃ!収穫の十月じゃああ!」

「うむ、一年…持ちましたな」

「九鬼殿も仕官してくれたおかげで、三軍を動員できる!」

「九鬼嘉隆殿は忠誠が低い。
裏切る可能性高し…なのが難点だなな」

「考えてもしようがあるまい!
まぁこれで当家は大軍を動員できる!遠藤殿のおかげじゃ」

「…それは敵も同じこと」

「…う、む」

「…財を確保した敵は再び総攻撃をしかけてこよう
約四月から十月までの約半年…その間に兵力を回復してな」

「…遠藤殿、勝つ算段はおありか?」

「…計算では無い!
やるかやらぬか、それだけが問題なのだ!」

「…それは」

「…ん?」

「…遠藤殿には
似合わぬ台詞ですな」

「…ふ、
ふはははは」

「(…始めて笑ったな)」

「…さぁ仁木殿。行きましょう」
織田軍、侵攻再開

第六次総攻撃を敢行

「こちらの兵力は…
わしの率いる1400
遠藤殿の率いる790
九鬼殿の率いる280…」

「…敵は多方面から攻撃をしかけ、
それぞれ数も少ない…が、紀伊方面の本隊
羽柴秀吉率いる1200は脅威ですな」

「…南近江から信長も出撃している
気合の入ったことだ」

「…尾張、南近江、大和方面軍を先に撃破して
敵方の士気を大きく下げましょう。
そうすれば本隊のある紀伊方面軍を蹴散らす
ことも、また可能かと」

「…うむ、こちらも数が少ないが相手も同程度以下
たたみかければ十二分いけるな」

「…あと」

「まだ何か?」

「蜂屋頼高殿が、内応を受諾しました」

「いらんわ!」
かくして第六次総攻撃は始まった。
織田信長まで参戦した織田軍であったが
あまりにも拡散しすぎており
兵力を集中運用する仁木軍の相手では無かった。

「…ふ、そろそろ拙者の出番か」
尾張、南近江、大和方面軍を蹴散らした仁木軍の前に
紀伊方面から出撃してきた羽柴秀吉率いる織田軍は
なすすべもなく士気が崩壊して部隊が次々と壊走…
そして…

「…ん!?ちょっと待て拙者は味方だぞ!おっ…」
蜂屋頼高
討死

「降伏をする機会を失い討死しただと?」

「家臣から首級が届けられましたが…見ますか?」

「はぁ~必要ない
近くの寺に手厚く葬ってやれ」
織田軍、第六次総攻撃

失敗
続いて11月に行われた第七次総攻撃
12月に行われた第八次総攻撃も撃退。
その途上、九鬼嘉隆は仁木家を裏切り
織田家へと引き抜かれていく。
だが、その代わりに
池田垣興が織田家から出奔して
仁木家についた。
池田垣興は、織田軍の
1月、第九次総攻撃
2月、第十次総攻撃
3月、第十一次総攻撃まで共に戦うも
4月に行われた第十二次総攻撃の途中で
織田軍へと帰参し、仁木軍はまたも
二人体制となってしまうのであった。

「やれやれ…
人の出入りの激しい家だ」

「そのおかげで、助かっている面もある
一概に悪いわけではない」

「せっかく裏切ったのなら
ずっと一緒に居て欲しいと言うのは
贅沢な願いかね?」

「現実的ではない、な。
譜代でも旗本でも無い
子飼いの家臣ですら無いのに
滅亡手前の家にいつまでもいるわけがあるまい」

「厳しいことだ。しかし、遠藤殿は
裏切らずにここにいる」

「…世の中、変わり者はいるものだ
それにだ、そろそろ撒いた種の芽が出てくるのは?」

「撒いた種の…芽?」

「仁木義政殿で
ございましょうか!!!!」

「…そうだが
貴殿は?」

「拙者、木造雄利と申す!!!!
貴殿の熱き戦い!拙者の魂に火をつけもうした!!!!!」

「…はぁ
そうですか」

「ついでは拙者を是非とも
末席に加えて頂きたくぅ!!!!!」

「…な、なんと!
それは願ってもない!
むしろこちらこそお願いしたい!」

「…ふふ」

「…遠藤どの、これが芽でござるか!」

「…寡兵で未曾有の大軍に立ち向かい
これにあがらい闘い続ける…
これでふるい立たぬば武士では無い
…ということだ」
そう、仁木軍は大軍勢の織田軍に勝利を続けていたことにより、
鰻上りに評価が上がっていったのである。
気がつけば、仁木軍の評価は最大値に達し
古今東西比類なき名声を得るに至っていた。

逆に、大軍勢をもって、仁木ごとき小国を落せぬ
織田軍の評価は極めて低下し、
なんと、初期の最低国家三木家並の評価へと
転落していった。

「…おお、ちまたにおける
我が武名、まさに天にまで届くものなり!」

「名声が高ければ、相手も降伏しやすくなるし
外交も上手くいくようになる…機にもよるがな」
そして、待望の2年目…
1559年10月。
多くの財を確保した仁木軍は
大軍をもって反撃作戦を開始する

「皆のもの!よくぞ耐えた!良くぞ凌ぎきった!
この二年、苦痛の日々であったろう。だがそれも終る」
仁木軍、反撃開始

織田軍の聖地とも言える尾張に向かい全軍を動員す
仁木義政率いる仁木軍、総勢3300
島左近率いる尾張防衛軍、総勢1280
決着は始まる前からついていた。
島左近率いる尾張守備隊は
そのまま三河へと後退
仁木軍は尾張制圧の勢いのまま、
三河へと雪崩れ込んだ。

「…情けなし
数の頼みの戦をしかけ敗北し
あまつさえ追い詰められようとは…」
それにくらべ、仁木軍の何とも、
もののふなものよ
尾張・三河方面軍。
全面降伏。
島左近、ならびに北畠具教、
仁木軍へと降る。
だが、織田軍も黙ってみている
わけではなかった。
三河方面軍が降伏した、その月
仁木の本拠地となっていた
伊勢が陥落する
貴重な戦力を得た仁木軍は
尾張に全軍を集中させ、織田との決戦に備えるのであった。

「島左近、ならびに北畠具教は剛の者
俸禄をたっぷり与え、忠誠と兵力を確保なされませ」

「そ、それは構わぬが…
しかし、伊勢を放棄したのはやりすぎでは?
尾張、三河は会わせても13万石…伊勢は51万石ぞ」

「三河は島左近殿にでもあげ、
仁木殿は尾張一カ国の開発を重点的に行えば良い
なに、すぐ尾張は40万石へ届くであろう」

「しかし、だな…
みすみす相手に財源をくれてやらなくても」

「一軍だけ伊勢に残していても
織田軍からは守れぬ…それに二年で貯めた
財も多く残っている
十年は誇張だが、守りとなれば2.3年は戦えよう」

「ま、それはそうだが…
惜しいな51万石…」

「ククク…さて、その財源…
かれらは確保しつづけることができるかな?」

「なに?」
伊勢51万石を手に入れたことにより
織田の財政は向上するかと思われた。
しかし、実際には逆であった。
多すぎる家臣への俸禄
度重なる出兵と、4カ国の治安維持に
莫大な資金を排出していた織田家は
次第に、その統治能力を喪失していった。
伊勢51万石どころか、直轄地である
河内、紀伊、近江の統治状況が悪化したのである。
結果的に、全体の支出は低下し
織田家の戦力は低下していったのである。

「そもそも、だ
大名一人が直接統治できるのは一カ国
せいぜい、二カ国だ。四カ国も統治したら
その国の能力を全て引き出すことなどできんよ」
1560年10月…
仁木家の奮闘を聞きつけ
武魂燃え盛る侍達が、三河や尾張、
各国から集まり、仁木家の戦力は高まっていった。

仁木全軍
(尾張方面軍)
仁木義政--1097
遠藤直経--914
木造雄利--914
島 左近--914
北畠具教--918
池田垣興--914
服部正成--922
長谷川秀一914
小原鎮実--146
-総兵力7653
織田全軍
(伊勢方面軍)-5340
(大和方面軍)-1590
(紀伊方面軍)-3853
(南近江方面軍)2219

「三好との同盟締結に成功しました
これで安心して中央に進出できます」

「今川は最後までダメだったか…」

「今のところ、今川は織田家の内紛として
動かぬようです…兵員の移動も無いようですが
安心はできぬでしょう」

「あまりしつこく同盟にさそって嫌われたら
逆効果だ、あきらめも肝心だな」

「仮に敵対行動をとっても
現在の我らの兵力で、今川を撃破するのは
造作も無いことだ」

「そうだな、
では滅ぼそうか。織田家を」
仁木家、織田家
最後の戦いが始まろうとしていた。
仁木動乱その1
仁木動乱その2
仁木動乱その3
仁木動乱その4
仁木動乱その5
でぃすぷれいが
購入したばかりの液晶ディスプレイが
壊れたなう
壊れたなう
AAR 戦ノ国 仁木家03

戦ノ国 ~もののふ絵巻ver1.11
シナリオ:1550年
選択武将:仁木義政
三木家を除けば、あるいは富樫以下の
最弱かもしれぬ仁木家!
天下を望んで遊んでみたもののその結末は…
仁木家

ご六角家の類親の仁木家当主。全能力3.石高わずか1万石。周囲を他国に囲まれており家臣もいない。そのため、ご本家の六角に臣従しているが、まるであてにならないため表裏比興の生き方をするハメに。

元は浅井家の家臣で、伊賀の忍者衆を用いた諜報隊の責任者。若くして浅井長政の相談役を勤めた。情報分析に長けており、的確なアドバイスを行う。
織田家

天下統一を目論む魔王。存在を気にも留めていなかった超雑魚大名の仁木に裏切られ、怒りのあまり、幾度となく大軍を繰り出し殲滅しようと試みる

織田家の重鎮。魅力10知力10武威8という総合力なら本ゲーム最強のモンスター。信長に犬のように仕えている。

織田家武断派の筆頭家老。信長に代わり軍をまとめて仁木家に襲い掛かる。


「…かつて余が浅井を滅ぼした時、
遠藤直経は自軍の将の首をもって投降してきた」

「確か信長様を暗殺しよーとしてたぎゃぁ話ですな」

「そうだ。
そのさいに余に帰属した浅井の旧臣どもの言により事無きを得た」

「ありゃあぶなかったです。
でも信長様はそれを許されましたで」

「…奴は余の命を粛々とこなしておったが…なに、それは表向き
余の横っ面をはたく最高の機会を狙っていたということよ…ふふふ」

「…楽しそうに見えますぎゃぁ
遠藤殿を許すおつもりですか?」

「…そうだな。奴は許してやってもよい。
剃髪して服従をするつもりがあるならば、だが」

「仁木殿は?」

「いらん。クビをとったら捨ておけと伝えろ。
己の力量もかえりみぬ愚か者なぞ、首を見る価値すら無い」

「ヘ、ヘックション!」

「仁木殿、風邪ですかな?」

「いや風邪では無いが…うう、腹が痛い」

「…困ったものだ
ご自愛されい」

「…ようやく大軍を撃退したと思ったら、次から次へと軍勢がくる…あげく、上様…違った信長が本隊を率いて来たのだ。腹も痛くなろう」

「…それがお主の選んだ道だ
後悔しない選択をしたのだ
その苦しみも嬉々として享受せい」

「…遠藤殿は
何か後悔されているのか?」

「…満足な生き方など
なかなか出来ぬものよ
来たぞ!
織田軍の本隊が!」


「…終ったな
三方向から大軍だ
一応降伏の…」

「…勝った!」

「…え!?」

「…数の多さに目を奪われていると
本質を見失い…つまりそういうことだ」
信長軍
尾張方面軍
村井貞勝-約800
北畠具教-約1100
紀伊方面軍
佐久間信盛-約2500
大和方面軍
羽柴秀吉-約1020
佐々成政-約600
前田利家-約580
池田恒興-約520
丹波長秀-約670
高木清秀-約450
織田信長-約1200
対して
仁木軍
仁木義政-約1800
遠藤直経-約1000
蜂屋頼高-約460

「…これは
どの方面軍で戦っても我が軍が勝てる
限界点の兵力である!」

「お、おお!
そうか、野戦は一度に三部隊づつしか戦えない!
ならば、三つの部隊が、それぞれ相手を上回っていれば
相手を容易に撃破できる!」

「…その通り!むしろ織田信長を
討ち取ることすら可能であろう!」

「…遠藤殿!
って…あれ?」

「…どうなされた?」

「…いや、本隊は1万三千あったはずだが
ここには、どう見積もっても一万ぐらいしか見えぬが…」

「それなら、織田支軍3000は
貴殿の本拠地・伊賀に侵攻している。」

「な、なんと!?」

「どの道、我らの兵力で二カ国を守ることなど不可能
ならば、どちらか守るといえば石高の多い伊勢を守る
のは戦略的に上といえる」

「く、くぅ~
厳しい厳しいのぉ!!」

「なに、信長本隊の兵力を裂いたのだ
役目は十分以上にしたといっても良い
さぁ、始めるぞ!」
織田本隊と仁木軍の戦いは予想通り
仁木軍の優位により進んでいった。
まず、いつもの通り尾張方面軍を
蹴散らすと、紀伊方面軍を強襲
紀伊軍は2000もの大軍をもつも
仁木三軍の総攻撃を受け崩壊

そして仁木軍の攻勢は、信長本陣のある
大和方面軍に向けられた。その時である…

「いまだ!裏切るのならば絶好の機会!」
蜂屋頼高、裏切り

「ええい!予想していたとは言え
腹正しい!!遠藤殿!」

「フン…だから空手形とはいえ
俸禄をやらなかったのだ、蜂屋ごとき三下
大勢に影響は無い」
実際はやや違い、もし蜂屋頼高が開戦当初に
裏切っていたのならば、仁木家は窮地に追い込まれていただろう
だが、裏切るタイミングはあまりにも良くなかった。
すでに、尾張、紀伊両方面軍が壊滅し
大和方面軍も秀吉以下の主力軍に損害が出ていた。
蜂屋頼高自身の軍も、疲弊しており
裏切った時点ではわずか300程度しか無い
それでは戦局に影響などできるわけが無く…

「…撤退する。猿、殿は任せたぞ」

「せ、拙者も殿を…」

「…ギロ」

「…うっ」
織田軍、第三次総攻撃

失敗
かくして仁木家は
最大の危機を乗り切ったのであった

「やった!やったぞ!
我らは、織田の軍を撃破したぞ!」

「…伊賀に戦力を分散させたこと
あわせて大和方面軍は度重なる攻撃の失敗で
兵力が落ちていたというのも勝因でしょうな」

「…とは言え、勢力図を見る限り
絶望的な状況には代わりが無いようだが…」


「…一年」

「…ん?」

「…来年、すでに今年に入っていますが
十月まで持てば、豊富な財を得る事ができます
内政を全て石高生産に振り分け、統治作業を
進められるように」

「あい分かっておる。
とは、言いつつも、すでに財は枯渇しておるが」

「反撃までに、もう一年…
今年に入り手に入れた財を使い
統治をすすめ石高を上げることが出来れば…」

「うむ、しかし
その前に…」
織田軍、

第四次総攻撃開始
1558年2月、信長本隊が撃破された
織田軍であった、攻撃の手を休める
ことは無かった。豊富な財源を元に
執拗に攻撃をしかけてきたのである。

「…さすがに心が折れそうだ」

「こちらが苦しい時は、相手も苦しいとき
嘆いていても仕方が無い。良いことだってあるぞ」

「…良いこと?」

「よぉ!拙者だよ拙者!」

「………」

「全く奴らは拙者の価値を何もわかっておらぬ!
というわけで、また頼みますぞ!」
蜂屋頼高
織田軍を再度裏切り
織田軍、第四次総攻撃

失敗
続いて三月に行われた
第五次総攻撃も失敗したことにより
織田軍は、行動を全面停止した

「…ようやく平穏な時が訪れた
五時間で終るはずが五日もかかった
そんな苦しい時を過ごしたものよ」

「単純に財が枯渇しただけですから
十月に入れば、また進撃を開始するぞ」

「…遠藤殿は嫌なことを言う
ところで、蜂屋殿はどこに?」

「第五次総攻撃の途中で
敵に寝返った」


「あのクソ野郎!」
仁木動乱その1
仁木動乱その2
仁木動乱その3
仁木動乱その4
仁木動乱その5
AAR 戦ノ国 仁木家02

戦ノ国 ~もののふ絵巻ver1.11
シナリオ:1550年
選択武将:仁木義政
三木家を除けば、あるいは富樫以下の
最弱かもしれぬ仁木家!
天下を望んで遊んでみたもののその結末は…
仁木家

ご六角家の類親の仁木家当主。全能力3.石高わずか1万石。周囲を他国に囲まれており家臣もいない。そのため、ご本家の六角に臣従しているが、まるであてにならないため表裏比興の生き方をするハメに。

元は浅井家の家臣で、伊賀の忍者衆を用いた諜報隊の責任者。若くして浅井長政の相談役を勤めた。情報分析に長けており、的確なアドバイスを行う。
織田家

天下統一を目論む魔王。存在を気にも留めていなかった超雑魚大名の仁木に裏切られ、怒りのあまり、幾度となく大軍を繰り出し殲滅しようと試みる

織田家の重鎮。魅力10知力10武威8という総合力なら本ゲーム最強のモンスター。信長に犬のように仕えている。

織田家武断派の筆頭家老。信長に代わり軍をまとめて仁木家に襲い掛かる。
1557年10月

仁木家、謀反

「敵は伊勢にあり!
全軍、織田家を攻撃せよ!」
1557年10月、仁木家。織田家より独立。
伊勢に対し攻撃を敢行す。
兵のいない伊勢は抵抗もならず、
仁木の支配下となる。


「おのれ!命を助けてやった恩を忘れて主を攻撃するとは
犬畜生にも劣る奴よ!成敗してくれわ!」
翌11月、柴田勝家、周囲の織田領土より
軍を動員。約13000の軍勢をもって
仁木家本隊2000のいる紀伊に向かい進撃を開始。
これに対し、仁木家は正面の決戦を避け
尾張にむけ進撃を開始、包囲を破る作戦に
出るも…

「資金が足りぬだと!?」

作戦、失敗!
当初の予定では尾張までの進撃する資金があったが
伊勢を征服したことにより勝ち馬に乗ろうと
伊勢の国人衆があつまり、あろうことか当初の
予定を上回る兵力となってしまったのである。
そのため、財がわずか100足りず
行動不能に陥る。

終った三方面からの総攻撃を凌げるほど、我が方に兵力は無い…降伏は…」

「死ね!」
織田軍、降伏を拒絶

ここに仁木家の命運は決したかに見えた
だが…

「…失礼、仁木義政殿とお見受けする」

「…遠藤殿か、我が首を取られに来たか」

「…そうでは無い
お味方しに来たのだ」

「…ハァ?」
遠藤直経、
織田軍を突如として離脱

「な、なぜ!?
別に貴殿は忠誠度が低いわけでは無し、調略だってしたわけでは…」


「…圧倒的な相手に立ち向かう仁木殿に感服した。
とでも言えば良いでしょうかな?それに織田は我が主君・浅井の仇だ」

「…味方になってくれれば嬉しいが、この圧倒的な差は…」

「…ふん、圧倒的な差、ね
そうでも無いだろう?」

「…え?」

「遠藤が裏切っただと!言わんことでは無い!浅井の残党など引き受けるからこうなるのだ!だがたった一人裏切ったところで…」

「た、大変です!尾張方面軍が…壊滅しました」
三方向から攻撃を行った織田軍であったが
遠藤直経が裏切ったことにより、その弱点をさらすことになる
元々、尾張の武将は三人と少なく兵も少なく…
仁木家の次の攻撃目標になっていた
尾張方面軍は、それぞれ…
村井貞勝777
北畠具教941
遠藤直経780
ところが、遠藤直経が裏切った事により
村井貞勝777
北畠具教941
対
仁木義政2000
遠藤直経780
の戦いとなった。
これでは尾張方面軍に
万が一にも勝ち目が無い。
遠藤直経の軍と仁木義政が合流した時点で
勝敗は決していたのである。

「馬鹿な!圧倒的なこの戦力差で…て、撤収だ!」
織田軍、

第一次総攻撃失敗

「…おお、まさか撃退できるとは!
これも遠藤殿のおかげにござる!」

「…何を浮かれている?
さぁ次の用意をしろ」

「…え?次?」

「…これで終りだと思ったのか?
相手は兵力も財力もこちらの十倍
徹底的に攻撃してくるに決まっている」

「…うっ確かに」

「も、申し訳ありません上様
次こそ必ずやきゃつらを討伐して…」

「…権六、別に我は怒ってなぞおらぬ
むしろ感謝しておるぐらいだ」

「…は、はぁ?」

「…我を裏切り五倍以上の戦力を蹴散らした
遠藤直経の価値を再確認できたのだからな」

「…う、ぐぅ」

「…行け、行って自分の価値を表してみよ」

「は、ははぁ!」
翌、12月織田軍

第二次総攻撃を開始

「ええい!容赦はいらん叩きのめせ!」
柴田勝家率いる総兵力11000が伊勢に侵攻
それに対し、仁木義政率いる1700、遠藤直経率いる1000による
防衛戦を開始

「…き、きた!」

「今回は兵をまとめてきたか…
尾張軍も兵力は増強しているようだな
なかなかやっかいではある、が」

「負けぬ!我は負けぬ!天もご照覧あれ!」
しかし、天は織田軍に味方をしなかった
蜂屋頼高、突如として反転
仁木軍に合流する

「ははは!貴殿の戦いに拙者も感服しましたぞ!共に戦いましょうぞ!」

「…ま、また調略もしてないのに
裏切り者がでたぞ!」

「……蜂屋頼高殿か
かの御仁は日頃から不満が高く
忠誠度も低かった」


「内部崩壊ということか!織田も一枚岩では無いな!」

「……ふん、ならばこそ
あまりあてにせんほうがよかろう」

「え?いや、これまたなぜに?」

「……禄不満で我が方についたのだ
それを解消する手立てなぞ、我々にあるまい?
どこに奴にあたえる俸禄があるのだ?」

「…う」

「空手形を発して一時忠誠を得ても
俸禄が得られなければ、すぐに心変わりしよう…」

「…ならば、どうすれば?」

「一度の合戦で二度も裏切ることは無い
今回は頼りにしてもよかろう。
ただ、裏切るのは分かっているのだ
それまでせいぜい、こき使ってやれば良い
何だかんだいっても、奴の兵力は貴重だからな」
尾張方面軍は、増強したとはいえ
村井貞勝835
北畠具教1008
それに対して仁木軍は
仁木義政1700
遠藤直経990
蜂屋頼高520
二倍以上の兵力を尾張に
つぎ込むことが可能であった

「蜂屋頼高も裏切っただと!?
いかん!尾張方面に兵を向かわせろ」

「柴田様、そりゃ無理だぎゃ、向こうに回すには一旦戦線を離れて大回りにいかんと…」

「くそったれがぁ!
こっちへ来て戦え!
裏切り者に臆病者!
真の武士はおらぬのか!」


「…なんか反対側で吼えているな」

「…ほおっておけ、やつらがこちら側にくることは無い
どこの戦線で戦うかは、守る側の特権だ」

「…!」

「…ならばこそ仁木殿も、わざわざ織田領の
真ん中で決起されたのであろう
四方八方から来る、ということは
兵力が分散されるということでもある」

「…も、もちろんだとも!遠藤殿!」

「…ま、まさか
貴殿…」

「………」

「………」
織田軍、第二次総攻撃

失敗
…そして

「…見事だ。余、自ら滅ぼしてくれん」
1558年1月…
織田信長率いる本隊13000が
伊勢に向かって進撃を開始。
仁木家、最大の危機を迎えようとしていた
仁木動乱その1
仁木動乱その2
仁木動乱その3
仁木動乱その4
仁木動乱その5