歴史の影 - 朝廷と幕府

ある所で、戦国時代における朝廷と幕府の関係が分かりにくいという話があり、それを簡単に説明したのですが、わりと朝廷と幕府の関係について知らない人も多いと思います。

そこで今回は、その掲示板に書いた内容を
ちょっと書いて見たいと思います。


朝廷と幕府の関係
日本人ならば(あるいは日本通の外国人なら朝廷の方が幕府より上、ということは認識されていると思います。

実際その通りですが、時代劇を見ると「実際に日本の政治を行っているのは幕府」という状態なのもまた事実。例えば、江戸幕府、徳川将軍様が政治をつかさどっているイメージがあるのではないでしょうか?

日本の支配組織である朝廷が政治をせず、本来部下であるはずの将軍が幕府という名前の統治機関をもって日本の政治を行っている

感覚では理解しているはずですが、

いざ文章にしてみると

分かりにくいですよね。

戦国時代における朝廷と幕府の機能
将軍家と朝廷なのですが、機能的部分を見ると
1.将軍家は「役職(守護職や管領等」を授け、時に調停を行う。
1.朝廷は「官位」などを授ける。時に調停を行う

実は、全く同じだったりします

で、歴史的観点から見ると
1.将軍家は他家の傀儡となり意にそぐわない行動をとると排除された。
1.将軍家は、領土を失っても捲土重来をきして他家へと支援の要請を行い、たびたび、強力な後ろ盾を得て京へ帰還しようとした


2.朝廷は、京から離れることは無く、誰も攻撃しようとはしなかった。
独自の兵力ももたず、領土は家屋のみ、基本的に支援の対象でしかない
2.朝廷は官位を渡す機能を有しており、関白や征夷大将軍などの位を大名や武将に授けることができた。そしてそれら官位が無ければ、幕府などが開けなかった
朝廷の力なくば、幕府はできない


※つまり、日本の本来の支配者ある朝廷を傀儡にしていた足利幕府が、戦国時代においては力が弱まり、三好家や織田家の傀儡にされてしまった…というトリッキーな状況にあるわけです。傀儡の傀儡…それを打破しようと足利義昭さんたち足利一族が奮闘していたわけです


さて、この状況をゲーム的に考えて表現してみます
以下のは考え方の例として

1.将軍家は独立大名である
1.将軍家(あるいは将軍その人)の存在がある場合、官位のやりとりができる。
1.将軍家が滅亡(三好一族に滅ぼされるなどした場合)している場合、
その眷属(例えば足利義昭など)が征夷大将軍を名乗り、他家に協力要請を求める。
1.征夷大将軍が「幕府復興を求めて」来た場合、
それを手助けすることで、「幕府の命令による進軍」という大義名分を得る事ができる


2.朝廷に領土は存在しないため、基本的に滅ぼせない。信長も朝廷を滅ぼそうとは考えていなかったはず…多分(帝を安土に鎮座させ、それ以外の邪魔な貴族連中を皆殺しにする可能性はあったかもしれないが
2.征夷大将軍を受けた大名家は、威信が大幅アップ。外交効果で言えば、全大名家に対する臣従成功率が大幅上昇。
2.関白を持っていると政治効果は高まるが、諸大名に対する威光は、征夷大将軍より遥かに少ない。これは、関白が、いわゆる総理大臣であることに対して、征夷大将軍は軍事大臣(全武将、武家に対する命令権を持つ軍事指導者…昔で言う所の陸軍大臣。軍権は天皇しか持っていないため(総理大臣である)関白の言う事を聞く必要は必ずしも無い)だからである。
2.朝廷は姓を与えることができる。姓をもらった大名家の権威は高まる(豊臣以外に、あんまり無いですが



※以上のことから、基本的に朝廷の役目は権威の保持と、それにともなう官位の提供であり、将軍家は特に朝廷に対して何らかの許可を求めず「官職(大名の人事権)」「調停活動」などの行動できる

簡単に言えばこうなります

また政治も基本的には朝廷に相談せず行うことができる(ただし諸外国に対する、本来の意味での外交活動の場合は、日本の意思最高決定機関として朝廷と相談を行う事もある


官位と役職について

官位(関白や征夷大将軍)は朝廷が授ける階級役職人事ですので朝廷しかできません

役職(管領、所司、守護職)は幕府が武将に与える軍の人事命令なので、朝廷に関係なく幕府(将軍家)が自由に行えます

現実に例えると、総理大臣(関白)や陸軍大臣(征夷大将軍)の任命を行うのが天皇(朝廷で、軍隊の兵隊(大名)の人事を行うのが、陸軍大臣(征夷大将軍)です

陸軍大臣(征夷大将軍)には方面軍司令官(管領)などを任命できますか、天皇(朝廷)には、そんな権限はありません。

天皇(朝廷)の力が強ければ、命令を下し、拒否した陸軍大臣(征夷大将軍)をクビにすることもできると思いますが、戦国時代に朝廷にそれほど力はありませんから基本的にムリです。

これぞ建前と本音の部分ですね


現在の政府は?

朝廷は権力を幕府に奪われた傀儡組織である

トムクルーズの出演した映画「ラスト・サムライ」で、若き日の明治天皇は「彼らが望むことをする限り、朕は神であろう」と言われましたが、

全くその通りであります

ちなみに、現在の日本政府は、明治維新のさいに幕府を廃し、朝廷が拡大したも(王政復古)のはずですが、天皇と政庁を分断することで、朝廷と幕府の関係を模倣しています。

天皇陛下に責任を及ばないようにすることで、
国体を守ろうとしたからです。

つまり政治的に何か問題あっても、天皇陛下が失敗したからではなく「悪い大臣」のせいだからです…例えば

総理大臣とか

総理大臣とか。


総理大臣とか

いつも悪いのは王様じゃなくて、悪い大臣」という童話を現実世界でやっているのが日本という国です。二次元大国日本は歴史が既にファンタジーなのです。

これじゃあ、日本人は

未来に生きても仕方ありませんよね!

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この記事へのコメント

No title - 諸芯 - 2011年04月16日 14:46:56

最近の説では、源頼朝は征夷大将軍になる前から朝廷に地方統治の権利を承認されていて、そのうえで征夷大将軍の職を要求したようです。
つまり、本来征夷大将軍とは「将軍だから統治する」ではなく、「実際統治しているから将軍になる」だったわけです。足利尊氏も徳川家康も同じですね。

実力者であることが本義で、箔付けでしかなかった征夷大将軍が、数百年後には「天皇の臣であることが本義」になってしまい、その「形式」が滅亡のきっかけになるとは、歴史の皮肉を感じます。


ついでに言えば、「征夷大将軍は源氏に限る」という俗説ながらも時代が下ると不文律となった俗説は、言い換えれば「統治は天皇の分家に限る」という意味ですね(それなら平氏でもよさそうなものですが、平氏は源氏より天皇から遠い扱い)。

Re: No title - zabara(じゃばら) - 2011年04月18日 17:35:11

>「将軍だから統治する」ではなく、「実際統治しているから将軍になる」だったわけです。
実力者に箔(官位)を授けることで、その庇護を受けて生き残るという朝廷の遠謀とも、悲しい習性とも言えますね。

言霊という言葉があります、まぁ続っぽく言えば、嘘も百回言えば真実となる、という言葉もあるとおり、言っているうちに、それが真実(扱い)になることもしばしばで、征夷大将軍なども、その代表例ですよね。

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